筆者が長年主宰する個人制作の音楽サークル「SOUTH OF HEAVEN」にて
新譜「BLACK BY IDOL」を頒布いたしました!

参加歌唱者様やイラストレーター様の情報などはBOOTHよりチェックしていただけると幸いです。
実は自身でプロデュースをする作品に関しては割と去年完全燃焼していたのですが、急に2022年になってから、「もし自らがアイドルユニットをプロデュースするとしたらどんな世界観のアイドルがいいかな?」と思い立ったところからスタートしたプロジェクトです。
あとやってみたかったのがラウドロック、というジャンルです。作曲家という宿命ながら普段から様々なジャンルの音楽を聴きあさっているのですが、そんな中でラウドロック、ツーステップ、というキーワードの元にインスピレーションを膨らませました。
普段当サークルとしてはHR/HMをなぞりつつもメロディを大切にする、メタルや激しい音楽に興味がなくても楽しんでいただけるような作品作りを心がけております。ラウドロックや最近インプットしたものを好き勝手に取り入れたらどんな音楽になるのか…今作は、そういうワクワク感をアウトプットした形になります。
サウンド面
こだわったのがラウドロック特有のギターのヘヴィすぎるローチューニング。今まではB音がローとしては最低音だったのですが、DropAまでチューニングを下げてみました。まさに「堕ちてみる?ダークサイド」でギターが堕ちた瞬間です。
筆者は普段の制作の音像としてはモダンでタイトな音像を主流としていますが今回は少しだけ”あえて汚すこと”をキーワードにギターを収録していきました。特にAチューニングになると弦のべろんべろん感を少し感じて結果、いつもよりワイルドに弾けたかな〜と思っております。ゴリゴリのリフといえばピックアップはリアでしょう!の概念を覆す、あえてシングルピックアップ音にして、歪みおさえめの低音リフは、ディストーションで失われがちの倍音を引き立ててくれるので逆に攻撃的でダイナミクスを感じますよ。お試しあれ。
それからツーステ曲、テンポの速いタテノリの曲にあるドラムのスネア音の「スコーン!」というサスティンの効いた気持ちいい音もわざわざ今作に合わせてサウンドメイクしました。
タイトさの中にどこか汚れた雰囲気が出ていたら本望です。
使用機材
ギターに関しては上記のエフェクターのみです。ちなみに筆者の実機はXL+ではなくXLなので相当古いです。もちろん収録終わってからプラグイン で色付けをしておりますが。もうかれこれ10年近い付き合いになるエフェクターになります。
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SSL(Solid State Logic) SSL 2【p10】【あす楽対応】【土・日・祝 発送対応】 価格:36,300円 |
ギターの収録のみこちらのI/Fを使用しました。LEGACYの4Kボタンがあるのですが、SSL特有のワイルドな倍音が得られます。GAINはI/Fの出力次第ですが少しかけるだけで十分です。GAINを回すと本当に歪み始めます。
![]() | IBANEZ 1000PG-BK ポールギルバートピック ギターピック×10枚 価格:1,100円 |
ギターピックは長年愛用のポールギルバートピックの黒です。最初は赤色を使っていましたが、しっかりした厚さが欲しくなり今では黒を使用しております。
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audio-technica AT4040【コンデンサーマイク】【レコーディング】【オーディオテクニカ】 価格:34,800円 |
実際にディレクションをさせていただいたボーカル収録には上記AT4040を使用してます。こちらも長年頑張っていただいているマイクです。データでのやりとりの環境の方の使用機材はわからないのですが、こうして一つの作品に別々の録音環境、という時はボーカルを揃えることが大変だったりします。
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NEUMANN U87Ai studio set(専用木箱・サスペンション付き)【コンデンサーマイク】【レコーディング】【ノイマン】 価格:394,000円 |
ノイマンのU87Aiは仕事の際のスタジオに常設で置いてあるので使用してます。バランスよく収録してくれるのでオケにもよりますが、ほぼ削るだけです。今作もU87Aiの方のデータの方もいらっしゃいます。やっぱりエディットしやすいなぁ、という印象でした。
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●Universal Audio Apollo x8 HeritageEdition 【ikbp1】 価格:348,401円 |
ボーカルの収録、ミックスの作業はこちらも長年愛用のUniversal AudioのApolloです。上記製品も次世代版へと切り替わったため市場で新品はもはや見かけません。収録の際にUADエフェクトという独自のDSPエフェクトにて、収録の際にエフェクトかけ録りができますので、コンプレッサー1176とマイクプリ610のシミュレートプラグインを使用してます。

MIXの最終的な部分とマスタリング で今回初導入のiZotope社のこちらのAI技術のエフェクト群を使用いたしました。NecterとOzone、Neoverbを今作では使用しております。これは本当に素晴らしかったです。ちなみに前作まではLANDRというサーバに楽曲をアップロードしてAI解析してマスタリング するサービスを利用しておりましたが最近クリエイター陣で評価の高いozoneに切り替えた次第です。こちらについてはまた別の記事で紹介していこうと思います。
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【過去最安! 数量限定特価】 WAVES Mercury Waves製品ラインナップのほとんどが手に入るお得なセット 【ウェーブス】 価格:126,500円 |
WAVESのMercuryです。ほぼ全てのミックス工程で仕様しております。
Resonanceシリーズは色付けもなく使いやすく長年R-EQ、R-Compにはお世話になっております。
こちらについてもまた別の記事で紹介しようと思います。
ちなみに今作製作中にたくさん機材が壊れました…。仕事も個人制作と全く同じ楽曲制作ですので致命的でとてもとてもそれは凹みました…。一番は核となるPCがお陀仏になったことです。
近年発売されたM1のMacはまだ音楽制作環境に不安があるためIntel core i9、メモリ32GBのモンスタースペックなMac book proを購入しましたが、結果購入してよかったです。全ての作業工程のスピードが上がりました。私感になりますが制作工程のスピードが上がるとインスピレーションも沸きやすくなると思います。
今なら限定版で各ボーカル陣のソロバージョンの「BLACK OUT」6曲と、インスト7曲の追加特典CDがついた限定版がゲットできます(BOOTH限定)。気になった方は是非おはやめに(残り少ないです)

メロンブックス様でも専売が開始されました!こちらも是非チェックしてみてください。

各楽曲紹介
・BLACK OUT
今作の合唱曲。メイン曲となってます。まさにこんなアイドルグループいたらかっこいいだろうな、という気持ちで作曲しました。歌唱者全員が様々な分野で活動する豪華な主役シンガーなのにパート分けをするという贅沢な合唱曲となってます。ドリームチームを作っているようで楽しかったです。
少しインテリジェンスなリフからセクシーさを感じるリード系シンセではじまり、Aメロではスラッシュメタルを意識し、集合曲にちなんだガヤ感を演出。Bメロではリズムオフで浮遊感溢れるシンセ音を中心にEDMではお馴染みのビルドアップで一気にサビまで持っていきます。
サビはガラッと転調させてメロディアスに。歌詞の方は筆者が楽曲提供したとあるアーティストの曲名がヒントになっております。
・Fxxking World
アップテンポでAチューニングが光る攻撃的なリフがサウンドステッカーの楽曲です。シンコペーションをあまりせずにとにかくツーステで突き進めるような、そんな楽曲を目指しました。またVocalのAiraさんによるナイフのような鋭い歌唱はとてもこのアグレッシブなサウンドとマッチしておりこの楽曲はとても聴いていてスカっとします。
・Howling of the LOSER
今まで制作してきたメタルアレンジシリーズを彷彿とさせる楽曲です。ラップの要素を盛り込んだり、コミカルな要素を作ったり、と面白い楽曲になりました。ちょうどVocalのLIQU@。さんがラップにハマっていることもありベストな感じになったかと思います。間奏のラップではテイクをダブリングしたのちにピッチシフター処理で高音を重ねています。
・Shake it off!
ダンスミュージックに寄せたフィーバーな楽曲を目指しました。BメロのHey your Live?は3声でハモリをつけております。間奏は今まででやってきた、デスメタル風のブラストビートやメロディックメタルによくあるディミニッシュスケールのツインギターソロなど今までをなぞりつつキラキラさせた雰囲気になってます。
・Idolatry
こちらもアップテンポでAチューニングが光る攻撃的なリフがサウンドステッカーの楽曲です。よーく聞くとスライドをリフに混ぜているのでグルーヴィな雰囲気が少しでも出ているといいな、と思ってます。間奏はトランステクノ風なニュアンスからブルージーなCメロへと変化していきます。
・Starry Night
K-POPがヒントになりました。個人的にJ.Y.Park氏は古き良きポップス(マイケルジャクソンなど)を彷彿とさせる最高の音楽を手がけるプロデューサーだと思ってます。一応ラウド作品ということで2番からはメタルコア風の音楽を取り入れておりますが”休符や”タメ”にこだわったリズムやメロディは影響を受けております。コードはジャズ感を感じるお洒落なコードワークに、ギターに関しては筆者の根底にあるハードロックとブルースギターで他の楽曲と違ってムーディさ、メロディアスさ、ダイナミクスを大切に制作しました。途中いきなり狂ったような華やかなファルセットのニュアンスやアドリブのアイデア、Bメロのコーラスの歌詞などはすべて巴山さんによるアプローチです。ひたすらにおしゃれカッコイイです。
・Get it over
尊いアニソン感をヒントに今筆者が伝えたいことをストレートに表現したエモーショナルなロック曲です。この楽曲は他の楽曲に比べてクランチサウンドで統一されています。エフェクターのブルースドライバーが大好きでして、その音色でギターをかき鳴らすイメージで制作しました。Aメロのクリーンサウンドのテンポディレイなども今までのサウスオブヘブンの中では珍しいのではないでしょうか。Vocalの市倉さんの歌がとにかくハートフルで、恐れ多くもディレクションをしながら収録しましたが本当に楽しい収録でした。100を求めていたら120で返してくれる素敵なボーカルです。
終わりに
以上が今作「BLACK BY IDOL」のライナーノーツでした。
今作が新譜としてたくさんの方々に聞いていただける喜びを噛みしめがなら、またこの作品に終わらずなにかきっかけがあれば、好評であればまた続編も作りたいな、と考えております。
最後まで読んでいただき誠に有難うございました!

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